ゆっくりのんびり。

いの (@inox_ee) です

『INRO: INSHIes DIE TWICE』

人生なんて回生の繰り返し。

はじめに

この記事は eeic アドベントカレンダー 2020 21 日目の記事です。

自己紹介

はい、いらっしゃいませ。
eeic2018 の いの(@inox4629music) と申します。B4 です。2 回目です。
タイトルにもあるように、私は夏冬 2 回の 院死1 を経て、院浪の身となった稀有な人生を送っています。「院死」で Google 検索すると 先人のブログが数多く出てきます2が、2 回も院死した方はそうそう出てきません。

どうしてこうなってしまったのか、
どうすればこんなことにならなかったのか、
これからどうしていけばよいのか。

このブログを訪れた物好きの方へ、3 度の院試を乗り越えた経験を拙筆ながら書き記していきます。

なお本稿は完全なる手記であり、これから院試を受ける方、院死を迎えてしまった方などへのお役立ちブログではないので悪しからず。

学部時代

理科一類出身、電気電子工学科に進学し、かつてブラック学科として栄華を極めた3 eeic の洗礼を受けながら 2 年間過ごしてきました。成績は中の下くらいでしたが、サボることなくそこそこ真面目に勉学に励んでいたと思います。

はじめは所属通り電電系の授業を取るも、ミーハーなので情報系に興味を持ち徐々に気持ちがシフトしていきました。正直大学に入るまでパソコンすらろくに触ったこともない赤子だったので、周りとのレベルの差は歴然。そうは言っても当社比では年を追うごとに成長していたこともあり、情報系研究室に進学する道を諦めるという考えはありませんでした。

vs 院試 1 回目

卒業研究のための基礎知識を再度学びつつ、初めてインターン(Web 開発系のバイト)を開始したこともあって 4~6 月はあっという間に消えていきました。6 月末あたりから院試勉強始めないとな~と思い対策し始めたのですが、何分にも学部時代はついていくので精一杯だったためほとんど身についておらず、到底時間が足りないという判断に至りました。悲しいね。
また苦手意識があった数学の勉強をしている余裕もないため、プログラミングで受験することにしました。

B4 夏。情報理工学系研究科創造情報学専攻に出願、不合格。

(余談ですが、専攻の出願理由は第一希望研究室が創造情報にしかなかったから、ただそれだけです)

結果としてプログラミングで大敗しました。
不合格の原因は偏に勉強不足でしょう。大コケをカバーできるほど専門の出来も良くなかったし。
ちゃんと数学の勉強しておけばよかった(したところで受かっていたかは定かではないが)。

院死(1 回目)直後

院死つら。

合格発表直後はこのくらいにしか思っていませんでした。直後はね。

つらいつらいと言えど、その程度の感想しか出てこないのは、なんだかんだ言って大学院には進学できるものという思い込みがあったからではないでしょうか。もちろん中間発表も約 2 週間後に控えていたこともあり、気持ちをシフトせざるを得ない状況にあったのは言うまでもないですが、心の奥底ではまさか自分が院試で人生計画がストップするとは夢にも思っていませんでした。なので 9 月時点で就活をするということもなく、卒論を早めに終わらせ冬院試に全力を注ぐという方針に決めました。親も心配こそすれど二十歳過ぎた子供にあれやこれや口出しすることもないので、了承してくれました。

ブログ中盤で結論になってしまうのですが、詰まるところこの「大学院には進学できるもの」という思い込みこそが、2 度の院死を迎える原因だったのではないかと考えています。院試は恐ろしいです。誰も幸せにしません(断言)。これが分かっていればちょっとは人生違ったのかな。たられば話ですが。ちょっとでも自信がない人は同学他研究科でも、他大でも、併願すべきです。併願先の面接官に「併願なんて甘い考えしてていいの?」という圧迫質問されたという噂話4もありますが、人生つらい思いしていいことなんて一つもありません。甘い汁を吸って生きましょう。

vs 院試 2 回目

この 2 年で一番精神的に辛かったのは 19 年 10 月~ 20 年 2 月でしょう。間違いないです。

我ながらだいぶ病んでるなぁ…

中間報告も終わり 10 月になると、じわりじわりと院死が精神を蝕んでいきます。卒論提出日と冬院試の日程がもろ被り5なためなるべく早く書き上げたいと願っても、都合よく結果が出る訳もなく、ただ過ぎてゆく日々。周りは卒論に焦点を当て研究を進める中、TOEFL6 に金を払って I live in Tokyo... と呪文を唱え7、紙切れ 1 枚送るために追い課金。

思い出しただけでも辛くなってきたのでこのあたりで。

B4 冬。同専攻に出願、不合格。

正直受かったと思ってました。専門が比較的簡単、かつプログラミングも体感 7 割ほど解けたので得点率は問題なかったと思います。問題ないと思ったんですけどね~

これは確かなソースが無いのですが、冬院試の倍率は 6~7 倍あったとかなかったとか。少なくとも公式8で発表されている合格者が 42 人に対し志願者は 148 人。夏より倍率は高いでしょうから 4 倍以上であったことは間違いないなさそうです。狭き門ですね。

INRO の道へ

こうして冬院試でも不合格となった自分は院浪へ9

先程最もメンタルが"底"だったのは 19 年後期と言いましたが、20 年前期、もはや院浪となった身にまともな精神なんてこれっぽちも残っていません。鬱でも躁でもなくあるのは無です。人生つら~という感覚すら麻痺します。布団に入っても寝ることすらできず、辛うじて起きてもあるのは虚無の人生。もはやこの先まともに人生を送る自信はとうに消え失せ、何をするにもやる気が出ない。そんな日々でした。

数か月後の自分の人生を保証できない状態が 1 年も続くとこんな感じになるんだなぁと学びました。

vs 院試 3 回目

ところでそんな自分の人生と並行して世間の情勢も大きく揺れていました。そうですね、流行り病です。

19 年度冬院試の時もかなり措置を取られていましたが、時が経つにつれ状況は悪化し、もはやオンサイトの試験実施すら危ぶまれるようになりました。初のオンライン試験ということもあり、受験生はおろか教授陣すら何も分からないという状態でした。そんな中で開示された 20 年度夏院試。なんと筆記試験消滅。えぇ…。

B4(2 回目) 夏。同専攻に出願、合格。

(ちなみに工学系研究科にも出願していました。さすがにね。)

悪びれずに申し上げますが、流行り病の影響による試験内容の変更が圧倒的に有利に働きました。
筆記試験は無くなったものの、研究計画やこれまでの実績などを問うた書類審査10はかなり重く、A4 で 10 枚程度を要求されました。B4 一回目の自分であれば出願先を変えていたことは想像に難くないですが、卒論も書き終え、論文も提出していた自分にとっては比較的楽でした。正直。まぁ事前情報が一切皆無の口述試験はさすがに恐ろしかったけどね...。

晴れて合格。人生再スタート。

というわけで晴れて合格できました。崖際に立つ自分の背中をじわりじわりと押してくる院死ともおさらばです。

院死を繰り返した自分が言うのもなんですが、こんなもの生存バイアスです。今年の院試に落ちてたらどこで何をしていたかなんて分かりません。土の中に眠っていたかもしれません。本気でそう思うよ。

衣食住が保証された中でのたった 2 回の院死なんて大したことないと言われてしまうかもしれません。親にも院浪を許してもらえたし。ですが、あえて断言しておくと、この 2 年は自明に人生で最も辛い 2 年でした。そして最も大きな挫折でした。こんな経験二度としたくありません。

今 B3、B4 でこのブログに巡り合った方へ。院試頑張ってください。落ちるとつらいよ。

残念ながら院死を経てこのブログに辿り着いた方へ。院死、つらいよね。私でよければいつでも話し相手になります。あと辛くてもブログを漁ると色々と参考になることが見つかるかもしれません。

普通に受かった人へ。おめでとう。もし周りに院死した人がいればどうか励ましてあげてください。私は同期その他友人に変わらず接してもらったことで精神保てていました。ありがとう。

謝辞

完全に自己満なのでむしろ読まないで欲しい(?)

自分へ

よく頑張った。本当に頑張った。これからも一緒に人生頑張ろうな。

教授へ

こんなふざけたブログに名を載せるのは大変失礼で申し訳ないのですが、本当に教授方には助けて頂きました。なんの知識も技術もない自分の卒論をサポートしてくださり、院試に落ちた際も親身に相談して頂きました。ありがとうございました。そしてこれからも宜しくお願い致します。

親しい人へ

いつも心の支えになっています。恥ずかしいのでこの辺で。

同期ならびに友人へ

こんな取り柄のない自分ですが、周りの友人には本当に恵まれたと常日頃思っています。流行り病で直接会う機会は減っちゃったけど、院試に落ちた時も励ましてくれたり、バイトに誘ってくれたり、推しトークで盛り上がったり。圧倒的感謝。これからもよろしく。

推し

推しは神。

はかちぇ、叶くん、余はいいぞ。あまみゃもぇあ~もこんるるも葛葉もふわっちも明那もまゆゆもほんひまも天開司も久遠も最高なので全人類見ろ。

最後に

こんな重いブログを書いてしまいましたが、現在はめちゃくちゃ元気です。毎日こんな感じです。

https://www.youtube.com/watch?v=sfI9hgJYI9E ならびに https://www.youtube.com/watch?v=PS5imeXo2jk より

P.S.

院試はクソ。

内部生は全員合格させろ。


  1. 院試に落ちること。またそれにより社会的死を迎えること。

  2. 恐ろしいですね。しかもわりと eeic 生なんですよね。

  3. 諸説あり。

  4. 怒られても私は謝らないよっ!

  5. これ辛い。皆が卒論提出したー!って喜ぶ中、自分だけ試験会場に向かう気持ち分かる?

  6. ETS はゴミカス〇ね。

  7. 分かる人には分かる(多分)。

  8. https://www.i.u-tokyo.ac.jp/edu/entra/2019applicant.pdf

  9. 大学 4 年 2 月末に院浪が確定して 4 月から働く場所が見つかるわけもないので、1 年延期するのはほぼ確定です。

  10. あんまり詳しく話すと怒られそうなので一言だけ書き残しておきますが、書類審査は学振の書き方を参考にするのが最強です。これに気付けた自分には未だに感謝してる。